子育て世代の信州移住で考えたいこと
自然の中で育つ時間と、親が望む人生を生きる背中
こんにちは。 エルハウス/LHOUSE CEOの網倉です。
今回のテーマは、子育て世代の信州移住です。
東京・関西・首都圏近郊で暮らしている子育て世代の方が、信州移住を考える。
自然の中で子どもを育てたい。広い空の下で、のびのび遊ばせたい。山や川や雪のある暮らしを、子どもの記憶に残したい。都会の忙しさから少し距離を置いて、家族の時間を大切にしたい。
そう考える方は、少なくないと思います。
私は、その気持ちは本当によく分かります。
ただ、子育て世代の信州移住は、単に「自然が多いから良い」という話だけじゃありません。
学校、友達、通学、親の仕事、家計、病院、冬の暮らし、地域との距離感、家族の価値観──考えることは、たくさんあります。
そして、もうひとつ大切なことがあります。
「子どものために移住する」その言葉は、本当に美しい動機です。
でも本当に大切なのは、親がご機嫌で、自分らしく生き、その姿を子どもに見せることなのかもしれません。
自然の中で育つことも大事です。
でも、親が自分の望む人生を生きている背中を見せることも、子どもへの大きな贈り物だと思うんです。
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「子どものために移住する」、という言葉の奥にあるもの
「子どものために、信州へ移住したい」
そう話す方がいます。
自然の中で育ってほしい。土や木や水に触れてほしい。季節を感じてほしい。小さい頃から、山や雪や星空を知ってほしい。スマホやゲームだけじゃなく、体を動かす時間を増やしてほしい。
どれも、本当に大切な願いです。
子どもの頃に見た景色、親と歩いた道、冬の雪の匂い、山の中で感じた風、スキー場で交わした他愛もない会話──そうした記憶は、大人になってからも残ります。
ただ、私はここで少しだけ立ち止まりたいんです。
「子どものために移住する」──それは素晴らしい動機です。
でも、その奥には、親自身の願いもあるんじゃないでしょうか。
自分も自然の中で暮らしたい。自分も朝の空気を吸いたい。自分も満員電車や都市部の忙しさから少し離れたい。自分も、家族とゆっくり過ごす時間を取り戻したい。自分も、望む人生を生きたい。
その願いを、隠さなくていいと思います。
子どものためと言いながら、本当は自分もその暮らしを望んでいる。
それは、悪いことじゃありません。
親が自分の望む人生を生きることは、子どもにとっても大切な学びになると思っています。
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親がご機嫌でいることは、子どもへの贈り物です
子どもは、親の言葉以上に、親の姿を見ています。
親が毎日、疲れ切っている。親がいつも不機嫌でいる。親が自分の人生を我慢している。親が「あなたのために」と言いながら、本当は苦しそうにしている。
子どもは、そういう空気を感じ取ります。
反対に、親がご機嫌でいる。親が自分らしく生きている。親が自然の中で深呼吸している。親が仕事も暮らしも、自分の意思で選んでいる。親が「今日もいい一日だった」と言える。
その姿も、子どもは見ています。
子どもにとって大切なのは、立派な家だけじゃありません。
親がどんな顔で暮らしているか。親がどんな姿勢で人生を選んでいるか。親が何を大切にしているか。
そこから、子どもは多くのことを受け取ります。
だから私は、子育て世代の信州移住では、「子どものため」と同じくらい、「親が望む人生を生きること」を大切にしてほしいと思っています。
親が望む人生を生きている背中を見せる。 それは、子どもへの大きな贈り物です。
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私にも、娘と自然の中で過ごした記憶があります
私自身にも、娘と自然の中で過ごした記憶があります。
よく美ヶ原の山の中を、娘と一緒にトレイルランしました。
山の中を走る。木々の間を抜ける。土の道を踏む。風を感じる。汗をかく。空を見上げる。
そういう時間は、特別なイベントというより、暮らしの中にある大切な時間でした。
信州の良さは、こうしたことが日常の中でできることです。
朝、少し早く起きて、自然の中に入る。トレイルランをする。散歩をする。山を見る。空気を吸う。体を整える。
それから学校へ行く。それから仕事へ行く。
都会では特別なことが、信州では日常の中に入ってくることがあります。
毎日そんな理想的な朝ばかりじゃありません。忙しい日もあるし、寒い日もあるし、子どもが行きたがらない日もある。親も疲れている日があります。
それでも、自然が身近にある暮らしは、家族の記憶をつくります。
「あの時、山を走ったね」 「あの時、寒かったね」 「あの時、空がきれいだったね」
そうした記憶は、あとから家族の中に残っていくんだと思います。
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パソコンやスマホから離れる時間
今の時代、子どもも大人も、パソコンやスマホから離れにくくなっています。
仕事も画面、勉強も画面、連絡も画面、娯楽も画面──便利です。
でも、体も心も、ずっと画面の中にいると疲れてしまうことがあります。
自然の中に入ると、人はリフレッシュします。
山道を歩く。木を見る。鳥の声を聞く。川の音を聞く。雪を踏む。風に当たる。汗をかく。
そうすると、頭の中が少し静かになります。
親にとっても、子どもにとっても、これは大切な時間だと思います。
自然の中に入ることは、特別な教育じゃないかもしれません。
でも、心と体を整える、基本的な時間です。
信州移住の良さは、そうした時間を日常の近くに置けることです。
家の近くに散歩道がある。少し車を走らせれば山がある。休日にはスキー場へ行ける。温泉にも行ける。自然の中で体を動かせる。
これは、子育て世代にとって本当に大きな魅力だと思います。
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冬のスキー場で生まれる、他愛もない会話
冬には、よくスキーにも行きました。
信州では、エリアにもよりますが、スキー場に1時間くらいで行ける場所もあります。
これは、子育て世代にとって、本当に大きな価値だと思っています。
スキーそのものが上手になることも、楽しいです。
でも、私が大切だと思うのは、スキー場で過ごす時間です。
車の中での会話。リフトに乗っているときの会話。転んだとき笑ったこと。寒いねと言いながら食べる昼ごはん。帰り道で眠そうにしている子どもの顔。温泉に寄ったときの安心感。
そういう他愛もない話が、あとから記憶に残ります。
大人にとっては何気ない会話でも、子どもの中には残っていることがあります。
子育ては、大きなイベントだけでできているわけじゃありません。
日常の小さな会話。一緒に体を動かした時間。同じ景色を見た記憶。
そこに、家族の時間があります。
信州で暮らすことは、そういう時間を増やす可能性を持っています。
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学校という視点で移住を考える方もいます
子育て世代の信州移住では、学校も大切な視点です。
実際に、お客様の中には、移住するにあたって、校舎や学校の雰囲気を大切にして考える方もいます。
都会の学校と、信州の学校では、雰囲気が違うことがあります。
校舎のつくり、校庭の広さ、周りの自然、地域とのつながり、少人数だからこその距離感、先生や地域の人との関係、学校ごとの教育方針や特色──地域によって、学校ごとに、本当にさまざまです。
中には、ユニークな取り組みをしている学校もあります。
自然体験を大切にする学校、地域との関わりが強い学校、小規模だからこそ一人ひとりに目が届きやすい学校、新しい教育に取り組む学校。
どの学校が正解ということじゃありません。
子どもに合うかどうか。家族の価値観に合うかどうか。通学しやすいかどうか。親が安心できるかどうか。
そこを見ていく必要があります。
信州移住で土地や家を考えるときには、校舎や学校の雰囲気も、実際に見てほしいと思います。
家だけを見て決めるんじゃなく、子どもが通う可能性のある学校や地域も含めて考える。
それが、子育て世代の家づくりでは本当に大切です。
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子ども自身の声も、丁寧に聞いてほしい
子育て世代の移住では、親の願いだけじゃなく、子どもの感じ方も大切にしてほしいと思います。
子どもは、大人のようにうまく言葉にできないかもしれません。
でも、校舎を見たときの表情。通学路を歩いたときの反応。山や雪に触れたときの様子。今の友達と離れることへの不安。新しい場所にわくわくしている気持ち。何となく黙ってしまう時間。
そこには、子どもなりの本音があります。
親が望む人生を生きることは大切です。
そして同時に、子どもが何を感じているのかを丁寧に見ていくことも大切です。
子どもの声を聞くことは、親の願いをあきらめることじゃありません。
家族全員の望む人生を、少しずつ重ねていくための大切な時間です。
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自然の中で育つことにも、現実があります
自然の中で子どもを育てる。これは、本当に魅力的です。
でも、良いことばかりじゃありません。
通学に時間がかかることがあります。車での送迎が必要になることがあります。冬は寒く、雪や凍結もあります。習い事や塾までの距離があることもあります。友達の家が遠いこともあります。親の仕事との両立を考える必要もあります。病院や小児科までの距離も確認が必要です。
ここを見ないまま、「自然が多いから良い」だけで決めてしまうと、あとから大変になることがあります。
だから、子育て世代の信州移住では、理想と現実の両方を見ることが大切です。
自然の豊かさ。学校の雰囲気。親の仕事。家計。通学。冬の暮らし。病院。地域とのつながり。
全部を完璧に満たす場所は、なかなかありません。
でも、自分たちにとって何が大切かが分かっていれば、選び方は変わります。
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子どもの人生と、親の人生を分けて考える
子育てをしていると、どうしても「子どものため」が大きくなります。
それは当然です。
子どもを守りたい。良い環境を用意したい。可能性を広げたい。安心して育ってほしい。親なら、そう思うと思います。
ただ、私は、子どもの人生と親の人生を、少し分けて考えることも大切だと思っています。
子どもには子どもの人生があります。親には親の人生があります。
子どものために親がすべてを我慢する。親の理想のために子どもを無理に巻き込む。
どちらも、少し苦しくなることがあります。
大切なのは、親の願いと子どもの未来を、どちらも大切にすることです。
親が自然の中で暮らしたい。子どもに自然の中で育ってほしい。でも、子どもの学校や友達、通学、将来も大切にしたい。
この両方を見ながら、家族に合う形を探す。
それが、子育て世代の信州移住には必要だと思います。
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親が望む人生を生きる姿は、子どもに残ります
子どもは、親が思っている以上に、親の生き方を見ています。
親が何を選ぶのか。親が何を大切にしているのか。親がどんな仕事をしているのか。親がどんな場所で元気になるのか。親がどうやって自分の人生を選んでいるのか。
それを、子どもは見ています。
だから、親が望む人生を生きる姿は、子どもに残ると思っています。
「お父さんは、自然の中に入ると元気だった」 「お母さんは、朝の空気を大切にしていた」 「うちの家族は、よく山に行った」 「冬になると、スキーに行った」 「親が楽しそうに仕事をしていた」 「大人になっても、自分の人生は選べるんだと思った」
そんな記憶が、子どもの中に残るかもしれません。
子どもに何を教えるか。それも大切です。
でも、親がどう生きるか。それは、もっと深いところで子どもに伝わるんじゃないでしょうか。
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家は、子どもの記憶を育てる場所でもあります
子育て世代にとって、家は単なる建物じゃありません。
子どもの記憶を育てる場所です。
朝ごはんを食べる場所、宿題をする場所、けんかをする場所、仲直りする場所、学校から帰ってくる場所、雪の日に手袋を乾かす場所、スキー道具を置く場所、山から帰ってきて靴を脱ぐ場所、親が仕事をしている姿を見る場所、家族で他愛もない話をする場所。
そう考えると、家づくりは、間取りや性能だけじゃ終わりません。
どんな記憶を残したいのか。どんな日常を増やしたいのか。どんな会話が生まれる家にしたいのか。
そこまで考えることが大切です。
サイエンスホームのような木の家であれば、木の香りや肌ざわり、柱や梁の存在感も、子どもの記憶に残るかもしれません。
木の家がすべての家庭に合うわけじゃありません。
でも、家の空気感や素材感が、子どもの記憶に残ることはあると思います。
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仕事と家計も、現実として見る
子育て世代の信州移住では、親の仕事と家計も大切です。
自然の中で暮らしたい。子どもをのびのび育てたい。家族の時間を増やしたい。
そう思っても、仕事と家計が不安定になりすぎると、暮らしは苦しくなります。
移住後の仕事はどうするのか。今の仕事をリモートで続けられるのか。転職するのか。副業や複数の仕事を持つのか。家の支払いは無理がないか。教育費はどうするのか。車は何台必要か。冬タイヤや光熱費はどう考えるか。
ここは、きれいごとじゃなく整理する必要があります。
ただし、仕事と家計の不安があるから、すぐにあきらめる必要はありません。
不安は、整理するための材料です。
望む人生があるなら、それを現実にするために、仕事やお金の形を考えていけばいいと思っています。
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子育て世代の信州移住は、家族の未来を考える時間です
子育て世代の信州移住は、家を建てる話であると同時に、家族の未来を考える時間です。
子どもにどんな記憶を残したいのか。親はどんな姿を見せたいのか。どんな校舎で、どんな環境で学んでほしいのか。どんな自然を日常に入れたいのか。どんな仕事の仕方をしたいのか。どんな家族の会話を増やしたいのか。
ここを考えることが大切です。
そして、答えは家族ごとに違います。
自然豊かな場所が合う家族もいる。駅や学校に近い場所が合う家族もいる。広い土地より、通学のしやすさを優先した方がいい家族もいる。木の家が合う家族もいる。管理しやすい家が合う家族もいる。
どれが正解じゃありません。
自分たちの望む人生と、子どもの未来に合う選択をすることが大切です。
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相談するときに、まとまっていなくて大丈夫です
子育て世代の家づくりは、考えることがたくさんあります。
土地、家、学校、校舎、通学、親の仕事、家計、冬の暮らし、病院、子どもの友達、家族の時間、親の望む人生──最初から、全部まとまっていなくて大丈夫です。
むしろ、迷っている状態の中に、大切な本音があります。
「自然の中で育てたいけれど、学校が不安です」 「子どものためと言いながら、自分も信州で暮らしたいのかもしれません」 「親の仕事が変わることが不安です」 「家計が心配です」 「校舎や学校の雰囲気も見ながら考えたいです」 「子どもにどんな記憶を残したいのか、まだ言葉にできていません」
その状態で大丈夫です。
土地や建物、冬の暮らし、性能については、奥寺立佳さんに聞いてください。 暮らし方や家族の迷い、子育ての不安は、岩谷咲奈さんに話してください。 土地や不動産、移住、仕事、お金のことも、必要に応じてチームエルハウスで一緒に整理できます。
私たちは、ただ家を売りたいんじゃありません。
家族にとって、信州移住が本当に望む人生につながるのか。
そこから一緒に考えたいと思っています。
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最後に、子育て世代の方へ
「子どものために移住する」その言葉は、本当に美しい動機です。
でも、そこに親自身の願いも入れていいと思います。
親がご機嫌でいること。親が自分らしく生きること。親が自然の中で整うこと。親が望む人生を選んでいること。
その姿は、子どもに残ります。
自然の中で育つ時間も大切。学校や校舎、通学や友達も大切。親の仕事や家計も大切。
そして、親が自分の人生を大切にしている姿も、同じくらい大切です。
信州移住は、子どものためだけのものじゃありません。
家族みんなで、これからどんな日常を増やしたいのかを考える機会です。
山に入る朝、スキー場での会話、校舎に通う背中、家に帰ってくる安心感、親が楽しそうに生きている姿──その一つひとつが、家族の記憶になります。
子育て世代の信州移住は、自然の中で子どもを育てることでもあり、親が望む人生を生きる背中を見せることでもある。
私は、そう思っています。



