信州移住で後悔しないために、観光と暮らしの違いを知ってほしい

信州移住で後悔しないために、観光と暮らしの違いを知ってほしい

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山が見える暮らしも、近ければ良いとは限りません

こんにちは。 エルハウス/LHOUSE CEOの網倉です。

今回のテーマは、信州移住で後悔しないために、観光と暮らしの違いを知ってほしいです。

信州へ移住したい。長野県で家を建てたい。諏訪、茅野、原村、富士見、伊那あたりで暮らしたい。八ヶ岳の近くで暮らしたい。山が見える場所に住みたい。自然に囲まれた暮らしをしたい。

そう考える方は、多いと思います。

きっかけは、旅行かもしれません。登山かもしれません。スキー、温泉、キャンプかもしれません。八ヶ岳や南アルプスを見た瞬間かもしれません。

信州に来て、「ここで暮らせたらいいな」と思う。

その気持ちは、本当に大切です。

私は、観光で感じたときめきや、旅先で心が動いた感覚を、軽く見ない方がいいと思っています。

人は、心が動いた場所に、何か大切なヒントを持っています。

ただし、ひとつだけ考えてほしいことがあります。

観光で好きになった場所を、そのまま日常にすれば幸せになるとは限らない。

観光は、非日常を楽しむ時間です。 移住は、日常を選び直す時間です。

この違いを、信州移住では丁寧に見てほしいと思っています。

インターネットでは、移住の注意点がたくさん語られています

信州移住や長野移住について調べると、いろいろな情報が出てきます。

自然が豊か、空気がきれい、山が近い、温泉がある、アウトドアが楽しめる、東京方面とのアクセスもある、移住支援制度がある、子育て環境が整っている地域もある。

一方で、注意点もよく書かれています。

冬が寒い、雪や凍結がある、車が必要、仕事をどうするか考える必要がある、病院や買い物への距離を確認した方がいい、地域付き合いを知っておいた方がいい、お試し移住をした方がいい、先輩移住者の話を聞いた方がいい、観光で見る地域と暮らす地域は違う。

どれも、本当に大切です。

こうした情報は、きれいごとじゃなく、実際に暮らすうえで必要な視点です。

ただ、私はここで、もう一段深く考えたいんです。

単に、「観光と暮らしは違います」という話で終わらせたくない。

信州移住で本当に大切なのは、その場所と、自分がどんな距離感で関わりたいのかを考えることだと思っています。

観光は、いちばん美しい瞬間を見に行くこと

観光は、いちばん美しい瞬間を見に行くことです。

天気の良い日に山を見る。温泉に入る。おいしいものを食べる。湖のそばを歩く。高原の風を感じる。スキー場で雪を楽しむ。宿に泊まって、非日常の時間を味わう。

これは、本当に素晴らしいことです。

旅には、心を整える力があります。

日常から少し離れて、違う景色を見る。いつもと違う空気を吸う。普段の役割を少し手放す。自然の中で、自分を取り戻す。

そういう体験は、人生にとって大切です。

ただ、観光で見ているのは、その地域の一部分です。

晴れた日の景色。宿から見る山。観光ルートの便利さ。休日の開放感。非日常としての信州。

移住すると、その場所は非日常じゃなくなります。

雨の日もあります。雪の日もあります。疲れている日もあります。仕事が忙しい日もあります。家族とすれ違う日もあります。買い物に行かなきゃいけない日もあります。病院に行く日もあります。ゴミ出しをする日もあります。草刈りや雪かきが必要な日もあります。

観光は、いちばん美しい瞬間を見に行くこと。 移住は、普通の日の自分をその場所に置くこと。

この違いを知っておくことが大切です。

山が好きだから、山の真下に住めばいいとは限りません

信州移住を考える方の中には、「山が見える場所に住みたい」という方が多いと思います。

その気持ちは、本当によく分かります。

八ヶ岳が見える、南アルプスが見える、中央アルプスが見える、雪をかぶった山が見える、朝日を受けた山が見える、夕方、山の稜線が赤く染まる──そういう景色は、心に残ります。

ただ、ここで大切なことがあります。

山が好きだからといって、山に近ければ近いほど良いとは限りません。

本当にきれいな山は、少し離れたところから見た方が美しく見えることがあります。

山の真下に行くと、山は近すぎます。大きすぎて、全体の姿が見えないことがあります。稜線が見えにくいこともあります。暮らしの中で、山を眺めるというより、山の中に入る感覚になることもあります。

少し離れるからこそ、山の形が見える。山並みが見える。朝と夕方の色の変化が見える。季節ごとの表情が分かる。家の窓から、日常として山を眺められる。

これは、土地選びでも大切な視点です。

山に近いことが悪いわけじゃありません。山の中に入る暮らしが合う人もいます。自然に深く入る暮らしが望む人生に合う人もいます。

でも、山を「眺めたい」のか、山の「中で暮らしたい」のか。

ここは、分けて考えた方がいいと思います。

近ければ良い、遠ければ悪い、じゃありません

山との距離は、暮らしの距離感を考える良い例です。

近ければ良い。遠ければ悪い。

そういう単純な話じゃありません。

自然に近い方がいい人もいるし、少し離れて、眺めるくらいがちょうどいい人もいます。

人との距離も同じです。

地域の人と深く関わりたい人もいる。ほどよい距離感で関わりたい人もいる。静かに暮らしたい人もいる。でも、完全に孤独になるのは不安な人もいます。

仕事との距離も同じです。

完全に仕事から離れたい人もいる。オンラインで仕事を続けたい人もいる。地域で少し仕事をしたい人もいる。新しい働き方をつくりたい人もいます。

家族との距離も同じです。

夫婦でずっと一緒にいたい人もいる。それぞれの時間も大切にしたい人もいる。二拠点生活が合う人もいる。週末だけ信州に来るところから始める人もいます。

大切なのは、距離の正解を探すことじゃありません

自分にとって、どんな距離感が心地いいのか。

そこを知ることです。

信州移住は、好きな景色に近づくことだけじゃありません。 望む人生に合う距離感を選ぶことでもあります。

旅先としての信州と、日常としての信州は違います

旅先としての信州は、本当に魅力的です。

温泉に入る、山を見る、そばを食べる、高原を走る、スキーをする、湖畔を歩く、カフェに入る、宿でゆっくりする、非日常を楽しむ。

でも、日常としての信州には、別の顔があります。

朝、車のフロントガラスが凍る。冬の道路を運転する。雪かきをする。夏の日差しを考える。草が伸びる。虫もいる。買い物の場所を考える。病院までの距離を確認する。子どもの学校を考える。仕事の動線を考える。地域との関わりを考える。

観光では、面倒な部分は見えにくいんです。

でも、暮らしでは、その面倒な部分も含めて日常になります。

だからこそ、移住前には、観光では見えにくい部分も見てほしいんです。

晴れた日だけじゃなく、雨の日も。夏だけじゃなく、冬も。昼だけじゃなく、朝や夕方も。観光地としてじゃなく、暮らす場所として

その地域を見てほしいと思います。

「好き」という気持ちは大切。でも、それだけじゃ足りません

私は、移住において「好き」という気持ちは本当に大切だと思っています。

この場所が好き。この景色が好き。この空気が好き。この山が好き。この地域の雰囲気が好き。

その感覚は、無視しない方がいいです。

好きでもない場所に、無理に住む必要はありません。

ただし、好きという気持ちだけで決めてしまうと、あとから苦しくなることがあります。

好きな場所と、暮らしやすい場所は、必ずしも同じじゃありません。

旅行で好きな場所、週末に行きたい場所、別荘として行きたい場所、毎日暮らしたい場所、子どもを育てたい場所、年齢を重ねても安心できる場所──これらは、少しずつ違います。

だから、信州移住では、「好きな気持ち」と「日常の現実」の両方を見てほしいんです。

どちらか一方じゃありません。

好きな気持ちを大切にしながら、現実も丁寧に見る。

そのバランスが大切です。

景色が良い土地ほど、暮らしの確認が必要です

景色が良い土地は、魅力的です。

山が見える、空が広い、夕日がきれい、田畑が広がる、遠くまで見渡せる──そういう土地に出会うと、心が動きます。

ただ、景色が良い土地ほど、暮らしの確認も必要です。

風が強くないか。標高が高く、冬が厳しくないか。道路の凍結はどうか。買い物や病院までの距離はどうか。雪の日に車を出しやすいか。日当たりは季節でどう変わるか。西日は強くないか。周辺の家との距離感はどうか。

景色の良さは大切です。

でも、景色だけで暮らしは成り立ちません

景色に惹かれたら、その気持ちを大切にしながら、同時に日常を確認してほしいんです。

その景色を毎日見ながら、自分はどんな気分で暮らせそうか。 その場所で、普通の火曜日をどう過ごせそうか

そこまで想像してほしいと思っています。

「普通の火曜日」を想像してほしい

移住を考えるとき、私は**「普通の火曜日」を想像してほしい**と思っています。

旅行じゃありません。連休でもありません。特別なイベントの日でもありません。

普通の火曜日です。

朝起きる。顔を洗う。子どもを送り出す。仕事をする。買い物に行く。郵便物を見る。ゴミを出す。洗濯をする。夕飯を作る。お風呂に入る。家族と少し話す。眠る。

その普通の日を、その場所で過ごせるか。

冬の普通の火曜日。夏の普通の火曜日。雨の日の普通の火曜日。少し疲れている普通の火曜日。

その日にも、自分らしくいられるか。

ここが大切です。

移住は、特別な日を増やすことじゃありません。

むしろ、普通の日をどう変えるかです。

普通の日が少し整う。普通の日に山が見える。普通の日に風が入る。普通の日に温泉へ行ける。普通の日に家族との会話が増える。普通の日に自分に戻れる。

信州移住の価値は、そこにあると思っています。

観光の自分と、暮らしの自分は違うことがあります

観光に来ているときの自分は、少し元気です。

休みの日です。仕事から離れています。時間にも少し余裕があります。お金も、旅行として使う気持ちがあります。家事も少ない。地域の責任もありません。見るものが新鮮です。

だから、観光のときには、多少の不便も楽しめます。

道が少し遠くても、景色が良ければ楽しい。お店が少なくても、非日常として楽しめる。寒くても、旅の思い出になる。雪道でも、スキー旅行なら楽しい。

でも、暮らしになると変わります

毎日の買い物。毎日の運転。毎日の寒さ。毎日の支度。毎日の仕事。毎日の家事。

観光で楽しかったことが、日常では負担になることがあります。

反対もあります。

観光では気づかなかった小さな良さが、日常では大きな幸せになることもあります。

朝の空気、近所の人との挨拶、夕方の山の色、車で走る道、静かな夜、季節の変化。

だから、観光の自分だけで判断しない方がいいと思います。

暮らしの自分を、その場所に置いてみる

これが大切です。

お試し移住や二拠点生活は、距離感を確かめる時間です

いきなり完全移住を決める必要はないと思います。

お試し移住、賃貸で住んでみる、二拠点生活をしてみる、週末に通ってみる、季節を変えて何度か訪れる、冬に滞在してみる、夏の暑い時期に見てみる。

こうした時間は、本当に大切です。

それは、情報収集だけじゃありません。

その場所との距離感を確かめる時間です。

自分は、この地域にどれくらい近づきたいのか。山は、どのくらい近いと心地いいのか。人との距離は、どれくらいが合うのか。便利さは、どこまで必要なのか。不便さは、どこまでなら豊かさとして受け入れられるのか。

これは、頭で考えるだけじゃ分かりません。

体験してみることで分かることがあります。

だから、迷っているときは、いきなり正解を出そうとしなくていいと思います。

少しずつ、その地域との距離感を確かめればいいんです。

山との距離、人との距離、暮らしとの距離

信州移住では、距離感が本当に大切です。

山との距離、自然との距離、人との距離、仕事との距離、都市部との距離、病院や買い物との距離、家族との距離、自分自身との距離。

近い方がいいものもあります。少し離れていた方がいいものもあります。遠すぎると不安になるものもあります。近すぎると苦しくなるものもあります。

山が見たいなら、山の真下より、少し離れた場所が合うかもしれません。自然が好きでも、完全に自然の中より、生活圏に近い場所が合うかもしれません。人と関わりたいけれど、毎日濃く関わるより、ほどよい距離が合うかもしれません。都市部から離れたいけれど、時々戻れる距離が安心かもしれません。

この距離感に、正解はありません。 あるのは、自分との相性です。

信州移住は、場所を選ぶことのようでいて、実は距離感を選ぶことでもあるんだと思います。

土地と建物と暮らしの目的を、分けずに考える

サイエンスホーム諏訪店の記事でも、土地の条件、建物のこと、暮らしの目的は、本来分けて考えるものじゃないという視点が語られています。

私は、この考え方が本当に大切だと思っています。

観光で見た景色だけで土地を決める。木の雰囲気だけで建物を決める。移住への憧れだけで暮らしを決める。

それぞれを別々に決めてしまうと、あとから少しずつズレが出ることがあります。

本当は、土地と建物と暮らしの目的は、ひとつながりです。

どんな景色を見たいのか。どんな距離感で山と関わりたいのか。どんな家で体を休めたいのか。どんな冬を越したいのか。どんな普通の火曜日を増やしたいのか

そこまで一緒に考えることで、観光で好きになった信州を、日常として暮らせる信州に変えていけるんだと思います。

奥寺さん・咲奈さんには、観光では見えない暮らしを聞いてほしい

信州移住を考えるときは、ぜひ奥寺立佳さん岩谷咲奈さんにも相談してほしいと思います。

奥寺さんには、土地や建物、冬の寒さ、夏の暑さ、日当たり、風、雪、道路、建物の配置などを聞いてください。

観光で見た景色が、実際の暮らしではどうなるのか。山が近い土地で、冬はどうなるのか。日当たりや風はどうか。雪の日の動線はどうか。木の家として、どんな配置が合うのか。

そうした専門的な視点は大切です。

咲奈さんには、暮らし方や移住の不安、家族の価値観を話してほしいと思います。

その地域で、どんな日常になりそうか。子育て世代なら、学校や通学をどう考えるか。50代・60代なら、病院や買い物、孤独にならない工夫をどう考えるか。夫婦で温度差があるとき、どう整理するか。二拠点生活や賃貸から始める選択肢はどうか。

観光では見えない暮らしがあります。

そこを一緒に言葉にしていくことが、信州移住では大切だと思っています。

読者の方に問いかけたいこと

信州移住を考えている方に、問いかけたいことがあります。

あなたは、信州の何に惹かれていますか。

山ですか。湖ですか。温泉ですか。空気ですか。自然ですか。静けさですか。スキーですか。登山ですか。人との距離感ですか。自分に戻れる感覚ですか

そして、もうひとつ。

その惹かれているものと、どんな距離感で暮らしたいですか。

山の中で暮らしたいのか、山を少し離れて眺めたいのか。自然に深く入りたいのか、自然を日常の背景にしたいのか。人とのつながりを増やしたいのか、静けさを大切にしたいのか。便利さも残したいのか、不便さも豊かさとして受け入れたいのか。

信州移住は、好きなものに近づくことです。

でも、それ以上に、自分に合う距離感を見つけることでもあります。

最後に、信州移住で後悔しないために

信州移住で後悔しないために、観光と暮らしの違いを知ってほしいと思っています。

観光で好きになった気持ちは、本当に大切です。

その場所で心が動いたなら、そこにはきっと、自分の望む人生につながる何かがあります。

でも、移住は非日常を買うことじゃありません

雨の日も、雪の日も、疲れた日も、普通の火曜日も、その場所で自分らしく暮らせるか

そこまで見てほしいんです。

山が見える暮らしも、近ければ良いとは限りません。

少し離れるからこそ、美しく見える山があります。少し距離があるからこそ、心地よく関われる自然があります。ほどよい距離があるからこそ、続けられる人間関係があります。自分に合う距離感があるからこそ、望む人生は続いていきます

信州移住は、好きな景色に近づくことだけじゃありません。 望む人生に合う距離感を選ぶこと。

その視点から、これからの暮らしを一緒に考えていきたいと思っています。

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