信州も夏は暑い。家づくりは冬の寒さだけで決めないでほしい
風の通り道、日差し、標高差まで考える家づくり
こんにちは。 エルハウス/LHOUSE CEOの網倉です。
今回のテーマは、信州も夏は暑い。家づくりは冬の寒さだけで決めないでほしいです。
信州で家を建てる。諏訪、茅野、原村、富士見、伊那あたりで暮らす。東京や関西から移住して、自然の近くで暮らす。
そう考えたとき、多くの方が最初に気にするのは、冬の寒さだと思います。
それは、本当に自然なことです。
信州の冬は、軽く見ない方がいい。断熱、気密、窓、暖房、玄関、脱衣所、雪や凍結──ここを考えずに家を建てるのは、やはり危険です。
ただ、最近はもうひとつ、考えてほしいことがあります。
信州も、夏は暑い。
昔の感覚で、「信州だから夏は涼しいでしょう」「避暑地だからエアコンはいらないでしょう」と考えてしまうと、少しずれてしまうことがあります。
標高の高い場所は、今でもそれなりに涼しさがあります。山の空気、朝晩の冷え方、日陰の心地よさ──都市部とは違う気持ちよさがあります。
でも、信州の夏も確実に暑くなっています。
だからこれからの信州の家づくりは、冬の寒さだけじゃなく、夏の暑さ、風の通り道、日差し、標高差まで考えることが大切だと思っています。
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「信州は涼しい」という昔の常識を、少し見直した方がいい
昔は、信州というと、夏は涼しい場所というイメージが強かったと思います。
実際、都市部に比べれば、朝晩が過ごしやすい地域もあります。標高が高い場所では、風が抜けると気持ちいい日もあります。木陰に入ると、体がふっと楽になることもあります。
でも、今はそれだけじゃ語れません。
夏の日中は、信州でもかなり暑い日があります。強い日差しもあります。家の中に熱がこもることもあります。エアコンを前提に考えた方がよい地域や土地もあります。
だから、これから信州で家を建てる方には、「信州だから涼しい」で止まらないでほしいんです。
大切なのは、どの地域で、どの標高で、どんな土地で、どんな向きに家を建てるのかです。
信州という一言でまとめず、暮らす場所ごとに考える必要があります。
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標高が変われば、体感も変わります
信州の家づくりでは、標高も大切です。
一般的に、標高が100メートル高くなると、気温はおよそ0.6度下がると言われます。つまり、標高が300メートル違えば、単純計算で約1.8度の差が出ることになります。
この差は、日常の体感としては小さくありません。
茅野、原村、富士見、伊那──同じ信州でも、標高は違います。同じ市町村の中でも、場所によって標高が違います。
たとえば、低い場所では夏の暑さを強く感じても、少し標高が上がると朝晩の空気が変わることがあります。
反対に、標高が高い場所は夏に涼しさを感じやすい一方で、冬の寒さや凍結、雪、道路、通勤、買い物の動線も考える必要があります。
つまり、標高は単に、「高い方が涼しくていい」という話じゃありません。
夏の涼しさと、冬の厳しさ。眺望と、日常の移動。静けさと、買い物や病院への距離。
その両方を見て判断する必要があります。
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冬のためだけに建てると、夏がつらくなることもある
信州の家づくりでは、冬対策は本当に大切です。
寒さを防ぐ、暖かさを保つ、足元を冷やさない、脱衣所や玄関の温度差を減らす、暖房効率を高める──ここは、本当に大切です。
ただ、冬だけを見て家を考えると、夏の暮らしが少しつらくなることがあります。
日差しが入りすぎる。窓の位置が風を受けにくい。屋根や庇の考え方が弱い。外からの熱を受けやすい。エアコンの効き方が悪い。夜になっても熱が抜けにくい。
こうなると、せっかく信州に暮らしているのに、夏の家の中が苦しくなることがあります。
これからの家づくりは、「冬に暖かい家」であると同時に、「夏に無理なく過ごせる家」である必要があります。
冬だけじゃなく、夏も含めて一年を設計する。
ここが大事です。
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夏の涼しさも、温度だけの話じゃありません
前回の記事で、私は「暖かい家は、温度が高い家だけじゃない。家族の朝の機嫌を守る家です」と書きました。
夏も、似たところがあります。
涼しい家は、室温が低い家だけじゃありません。
昼間の暑さで、体力を奪われすぎない家。夕方、窓を開けたときに風が抜ける家。朝、外に出たくなる家。子どもがだるそうにしすぎない家。家事をしていても、暑さで気持ちが折れにくい家。夜、体が休まりやすい家。
こういう家も、涼しい家だと思います。
暑さは、体力を奪います。暑さは、集中力を下げます。暑さは、家族の機嫌にも影響します。
冬の寒さが人の動き出しを止めるように、夏の暑さも人の行動力を止めることがあります。
だから、夏の涼しさも、望む人生を止めないための土台なんです。
信州の夏を、我慢する季節にしないでほしいんです。
夏の朝に外へ出たくなる。夕方に窓を開けたくなる。暑い昼間は、家の中で体を休められる。
そんな夏の過ごし方も、信州で望む人生を生きる一部だと思っています。
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「家はベースキャンプ」という視点は、夏にも当てはまる
池原さんは、家づくりを登山のベースキャンプにたとえています。
私は、この視点が本当に好きです。
ベースキャンプは、ただ眠る場所じゃありません。体を休める場所、装備を整える場所、次の日にまた動き出すための場所です。
信州で暮らす家も、同じだと思います。
冬は、寒さから家族を守るベースキャンプ。夏は、暑さから体を休ませるベースキャンプ。
どちらも必要です。
冬だけ強い家じゃなく、夏にも体を整えられる家。一年を通して、家族が戻ってこられる家。外で活動して、家で回復して、また次の日に動き出せる家。
それが、信州で望む人生を生きるための家だと思っています。
家は、人生という縦走を支えるベースキャンプ。
この考え方は、冬だけじゃなく、夏の暑さを考えるときにも通じると思います。
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風の通り道は、暮らしの気持ちよさにつながる
夏の家づくりで考えたいことのひとつに、風の通り道があります。
窓を開けたとき、風が抜けるか。家の中に空気の流れが生まれるか。朝や夕方の涼しい空気を取り入れられるか。熱がこもりにくいか。家族が過ごす場所に、気持ちよい空気が届くか。
最近の夏は暑いので、風だけで過ごせるとは限りません。
エアコンも大切です。無理な我慢はしない方がいい。暑さを精神論で乗り切ろうとするのは危険です。
でも、風の通り道を考えることは、今でも本当に大切です。
エアコンを使うとしても、家の空気が動くこと。朝晩に自然の空気を取り込めること。窓を開けたときに、家の中が少し呼吸すること。
それは、暮らしの気持ちよさにつながります。
木の家であれば、なおさら、木の香りや空気感と風の相性も感じてほしいと思います。
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日差しは、冬には味方、夏には工夫が必要です
日差しも大切です。
冬の日差しは、家にとって大きな味方です。
暖かさを運んでくれる。室内を明るくしてくれる。朝の気分を上げてくれる。信州の冬の暮らしを支えてくれる。
一方で、夏の日差しは、入りすぎると家の中を暑くします。
だから、日差しは単純に、「たくさん入ればよい」というものじゃありません。
冬には取り入れたい。夏には遮りたい。朝日は気持ちいい。西日は強く感じることがある。窓の大きさや位置、庇、軒、植栽、カーテンやブラインドも関係する。
ここは、家づくりで本当に大切な設計の視点です。
日差しは、季節によって意味が変わります。
冬のための日差し、夏のための日よけ、朝の光、夕方の西日──こうしたことを、土地や建物の配置と一緒に考える必要があります。
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土地の配置は、夏にも冬にも関わります
池原さんは、図面だけじゃなく、実際の土地で建物の配置を確認することの大切さも書いていました。
私も、この視点は本当に大切だと思っています。
図面上では分からないことがあります。
隣の家との距離。日差しの入り方。風の抜け方。駐車場から玄関までの動線。設備機器の位置。将来のメンテナンスのしやすさ。雪が降ったときの動きやすさ。夏の西日の入り方。隣地や道路からの視線。
実際の土地で建物の配置を確認することで、机上では見えない暮らしの感覚が見えてきます。
この考え方は、冬だけじゃなく夏にも関係します。
窓をどこに取るか。風をどこから入れるか。日差しをどう受けるか。外からの視線をどう考えるか。植栽や庭をどう使うか。エアコンの室外機をどこに置くか。
家の中の性能だけじゃなく、土地全体で暮らしを考える。
それが、信州の家づくりでは大切です。
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夏の暑さは、家族の機嫌にも影響します
冬の寒さと同じように、夏の暑さも家族の機嫌に影響します。
暑くて眠れない。朝からだるい。子どもが不機嫌になる。家事をする気力が出ない。仕事に集中できない。家族の会話が荒くなる。
暑さは、思っている以上に暮らしに影響します。
だから、夏の涼しさを考えることは、単なる快適性の話じゃありません。
家族が機嫌よく過ごすため。体力を守るため。暮らしの余白を守るため。望む人生を夏にも止めないため。
そのために必要なことです。
冬の暖かさと同じように、夏の涼しさも、家族の毎日を支えるものです。
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エアコンは悪じゃありません
信州移住を考える方の中には、「自然の中で暮らすなら、できればエアコンに頼らない暮らしがしたい」と思う方もいるかもしれません。
その気持ちも分かります。
風が通る家、朝晩の涼しさ、窓を開けて眠れる感覚、自然に近い暮らし──それは魅力です。
でも、私はエアコンを悪者にしなくていいと思っています。
最近の夏は、信州でも暑い日があります。体調を守ることは大切です。子ども、高齢者、ペットがいる家庭では、特に無理をしない方がいいです。
大切なのは、エアコンに頼りきる家じゃなく、エアコンも上手に使える家にすることです。
断熱や日射遮蔽を考える。風の通り道を考える。窓の位置を考える。室外機の位置も考える。必要なときには、無理なくエアコンを使う。
自然と設備を対立させない。
どちらも、望む人生を支えるための手段です。
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木の家は、夏の体感も見てほしい
サイエンスホームのような木の家を見るとき、多くの方は木の香りや空間の雰囲気を見ます。
それは本当に大切です。
でも、夏の体感も見てほしいと思っています。
木の床は、夏にどう感じるのか。室内に熱がこもりにくいか。窓を開けたとき、風が抜けるか。日差しの入り方はどうか。エアコンの効き方はどうか。家族が集まる場所が暑くなりすぎないか。
家の体感は、土地、方角、窓、暮らし方によって変わります。
だからこそ、モデルハウスや実例を見ながら、数字と体感の両方で確認してほしいんです。
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奥寺さんには、夏の体感も聞いてほしい
サイエンスホームの性能や外張り断熱については、奥寺立佳さんに聞いてほしいと思います。
冬の暖かさだけじゃなく、夏の涼しさも聞いてください。
外張り断熱は、冬だけの話なのか。夏にはどんな効果を感じやすいのか。窓や日差しはどう考えるのか。風通しはどう設計するのか。エアコンはどのように考えるのか。信州の地域差、標高差をどう見るのか。
ここは、専門的な視点が必要です。
そして、岩谷咲奈さんには、暮らしの感覚として話してほしいと思います。
夏の朝、どう過ごしたいのか。子どもがどこで遊ぶのか。家族がどこに集まるのか。夕方、どんな時間を増やしたいのか。窓を開ける暮らしが好きなのか。エアコンで安定した室内環境を好むのか。
家づくりは、性能だけでも、感覚だけでも足りません。
数字と体感。専門性と暮らし。
その両方で考えることが大切です。
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信州の家づくりは、一年の機嫌を考えること
私は、信州の家づくりは、一年の機嫌を考えることだと思っています。
冬の朝、家族がどう起きるか。夏の昼、家の中で体力を奪われすぎないか。春の風をどう取り入れるか。秋の光をどう楽しむか。雪の日にどう動くか。暑い日にどう休むか。
家は、季節ごとの暮らしを受け止めます。
冬だけよければいいわけじゃありません。夏だけよければいいわけでもありません。
一年を通して、家族がどう過ごすか。
ここを考えることが大切です。
信州の魅力は、四季がはっきりしていることです。
だからこそ、四季に合わせて家を考える価値があります。
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あなたは、夏の信州でどんな時間を増やしたいですか
ここで、読者の方に問いかけたいことがあります。
あなたは、夏の信州でどんな時間を増やしたいでしょうか。
朝、涼しい空気の中で散歩したいでしょうか。子どもと庭で遊びたいでしょうか。夕方、窓を開けて風を感じたいでしょうか。暑い昼間は、家の中で静かに休みたいでしょうか。家族が集まるリビングを、暑さで不機嫌になる場所にしたくないでしょうか。仕事から帰ってきたとき、体がふっとゆるむ家にしたいでしょうか。
夏の涼しさを考えることは、設備を考えることでもあります。
でも同時に、夏にどんな時間を増やしたいのかを考えることでもあります。
冬の暖かさが、家族の朝の機嫌を守るように。 夏の涼しさも、家族の一日の余白を守ってくれるんだと思います。
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最後に、信州で家づくりを考えている方へ
信州で家を建てるなら、冬の寒さは必ず考えてほしいです。
これは変わりません。
でも、これからは、冬だけじゃなく夏も考えてほしいんです。
信州も夏は暑い。ただし、標高の高いところは、それなりに涼しさもある。日差し、風、窓、断熱、エアコン、土地の配置、標高差──これらを一緒に見ていく必要があります。
家は、冬だけを乗り越えるためのものじゃありません。
夏も、秋も、春も、家族の暮らしを支えるものです。
信州の家づくりは、冬の寒さだけで決めないでほしい。
夏の暑さ、風の通り道、日差し、標高差まで考えることで、家は一年を通して家族のベースキャンプになります。
そして、そのベースキャンプが整っているからこそ、私たちは信州で望む人生を楽しむことができるんだと思います。



