家づくりの初回相談では、間取りより先に「望む人生」を話してほしい

家づくりの初回相談では、間取りより先に「望む人生」を話してほしい

目次

広さ・予算・土地の奥にある、本当に大切にしたいことを言葉にする

こんにちは。 エルハウス/LHOUSE CEOの網倉です。

今回のテーマは、家づくりの初回相談では、間取りより先に「望む人生」を話してほしいです。

家づくりの初回相談というと、多くの方は、間取りや予算や土地の話をする時間だと思うかもしれません。

何坪くらいの家にしたいのか。平屋がいいのか、二階建てがいいのか。土地はあるのか、これから探すのか。予算はどのくらいか。住宅ローンはどうするのか。いつ頃建てたいのか。どんな性能が必要なのか。木の家がいいのか。サイエンスホームが合うのか。

こうした話は、家づくりに必要です。

でも私は、初回相談でいきなり間取りや商品を決めにいかなくていいと思っています。

むしろ、最初に話してほしいのは、「どんな家がほしいか」じゃなく、「その家で、どんな人生を送りたいのか」です。

家は、目的じゃありません。 家は、望む人生を支える器です。

だから、初回相談では、間取りより先に、望む人生を話してほしいと思っています。

インターネットには、初回相談の準備記事がたくさんあります

家づくりの初回相談について調べると、いろいろな記事が出てきます。

予算を整理しておきましょう。希望エリアを考えておきましょう。家族構成を伝えましょう。入居時期を考えておきましょう。今の住まいの不満をまとめましょう。譲れない条件を決めておきましょう。住宅会社に聞きたい質問を用意しておきましょう。

これは、どれも大切です。

準備をしておくことで、相談はスムーズになります。分からないことを質問できます。予算や土地の話も進めやすくなります。

でも、私はそれだけじゃ少し足りないと思っています。

初回相談は、情報を整理する時間でもあります。

でも、それ以上に、自分たちの人生の前提をほどく時間でもあると思うんです。

なぜ、その家がほしいのか。なぜ、その土地に惹かれるのか。なぜ、その広さが必要だと思ったのか。なぜ、木の家に心が動いたのか。なぜ、信州で暮らしたいのか。

ここを見ないまま、間取りや予算だけを進めると、あとから少しずつズレが出ることがあります。

「広いリビングがほしい」の奥にあるもの

初回相談で、よく出てくる希望があります。

広いリビングがほしいです

本当に自然な希望です。

家族が集まる場所。友人を呼べる場所。子どもが遊べる場所。ゆったりくつろげる場所。明るくて開放感のある場所。

広いリビングには、魅力があります。

でも、ここで少し問いを置いてほしいんです。

本当にほしいのは、広さでしょうか。 それとも、家族が自然と集まる時間でしょうか。

広さそのものが目的なのか。それとも、家族が同じ空間で気持ちよく過ごせることが目的なのか。

ここは、本当に大切です。

広いリビングをつくっても、家族がそれぞれ別々の部屋にこもってしまうこともあります。反対に、そこまで広くなくても、家族が自然と集まり、会話が生まれるリビングもあります。

だから初回相談では、「何帖のリビングがほしいですか」だけじゃなく、「そのリビングで、どんな時間を増やしたいですか」を話してほしいんです。

「平屋がいい」の奥にあるもの

最近は、平屋を希望される方も多いです。

平屋がいい」「階段がない方が安心」「将来も暮らしやすそう」「掃除がしやすそう」「家族の距離が近くなりそう」「老後を考えると平屋がいい

これも、本当に自然な希望です。

ただ、平屋という形だけで考えると、見落とすことがあります。

本当にほしいのは、平屋という建物の形でしょうか。 それとも、将来も無理なく暮らせる安心でしょうか。 家族の気配を感じられる距離感でしょうか。 掃除や管理に追われない暮らしでしょうか。

平屋が合う人もいます。二階建てが合う人もいます。土地の条件によっては、平屋が難しいこともあります。予算との関係で、別の形の方が望む人生に合うこともあります。

だから、初回相談では、「平屋にしたいです」で終わらせずに、「なぜ平屋に惹かれているのか」を一緒に見ていきたいんです。

形の奥にある、本当に大切にしたい暮らしを言葉にする。

そこから家づくりは深くなります。

「山が見える土地がいい」の奥にあるもの

信州移住を考える方の中には、「山が見える土地がいい」という方も多いと思います。

八ヶ岳が見える、南アルプスが見える、中央アルプスが見える、朝、窓から山が見える、夕方、山の稜線が赤く染まる。

これは、本当に魅力的です。

私も、その気持ちはよく分かります。

でも、ここでも問いが必要です。

本当にほしいのは、山が見えることでしょうか。 それとも、毎朝、自分に戻れる感覚でしょうか。 自然とつながっている安心感でしょうか。 都市部の忙しさから少し距離を置くことでしょうか。

以前も書きましたが、山は近ければ良いとは限りません

山の真下に住むと、山が近すぎて、全体の姿が見えにくいことがあります。少し離れるからこそ、山並みが美しく見えることがあります。山に囲まれる暮らしが合う人もいれば、山を少し離れて眺める暮らしが合う人もいます。

だから初回相談では、「山が見える土地がいいです」という希望の奥に、「山とどんな距離感で暮らしたいのか」を見ていきたいんです。

「木の家がいい」の奥にあるもの

サイエンスホームに興味を持つ方は、木の家に惹かれている方が多いと思います。

木の香りが好き、ひのきの家に惹かれる、柱や梁が見える空間が好き、真壁づくりが落ち着く、木の床に触れたい、自然素材の雰囲気が好き、経年変化を楽しみたい。

どれも大切な感覚です。

でも、「木の家がいい」という希望にも、奥があります。

本当にほしいのは、木という素材でしょうか。 それとも、安心感でしょうか。懐かしさでしょうか。 自然とつながる感覚でしょうか。 家族の記憶が残る家でしょうか。 完成した瞬間だけじゃなく、暮らしながら育っていく家でしょうか。

木の家は、誰にでも合う家じゃありません。

木の香りが心地よい人もいれば、少し強いと感じる人もいる。傷や経年変化を味と感じる人もいれば、新築時のきれいな状態を保ちたい人もいます。

だから、初回相談では、「木の家が好きです」だけで終わらせずに、「木の家の何に心が動いたのか」を一緒に言葉にしていきたいんです。

「予算が不安」の奥にあるもの

家づくりで、予算の不安は本当に大きいです。

これは、当然です。

家は大きな買い物です。住宅ローンもあります。土地代もあります。建物費用もあります。外構費もあります。家具や家電もあります。子どもの教育費や老後資金もあります。

予算を軽く見ることはできません。

ただ、予算の不安にも、奥があります

本当に怖いのは、金額そのものでしょうか。 それとも、家を建てたあとに自由がなくなることでしょうか。

旅行に行けなくなること。趣味を続けられなくなること。子どもの教育費が不安になること。老後の安心が減ること。家を建てたのに、暮らしが苦しくなること

ここを言葉にすることが大切です。

私は、家に全部のお金をかける必要はないと思っています。

家は大切です。でも、家だけで人生が完結するわけじゃありません

家を建てたあとも、暮らしがあります。趣味、旅行、家族の体験、学び、健康、余白。

だから初回相談では、「いくらまで借りられますか」だけじゃなく、「家を建てたあとも、どんな暮らしを残したいですか」を一緒に考えたいんです。

「収納がたくさんほしい」の奥にあるもの

収納の希望も、よく出てきます。

収納を多くしたい」「片づけやすい家にしたい」「物が散らからない家にしたい」「家事を楽にしたい」「すっきり暮らしたい

これも、本当に大切です。

ただ、収納を増やせばすべて解決するわけじゃありません。

本当にほしいのは、収納量でしょうか。 それとも、片づけに追われない安心でしょうか。 家族が自然に片づけられる動線でしょうか。 物に振り回されない暮らしでしょうか。

収納は、量だけじゃなく、場所と動線が大切です。

帰ってきたとき、どこに荷物を置くのか。子どものものはどこに集まるのか。洗濯物はどこで干して、どこにしまうのか。掃除道具はどこにあると使いやすいのか。趣味の道具はどこに置くのか。

収納の話も、実は暮らし方の話です。

初回相談では、「収納をたくさんほしいです」から一歩進んで、「どんな片づけのストレスを減らしたいのか」を話してほしいと思っています。

「子どものために」の奥にあるもの

子育て世代の方は、よくこう言います。

子どものために、自然の中で育てたい」 「子どものために、信州へ移住したい」 「子どものために、広い家にしたい」 「子どものために、庭のある暮らしがしたい

その気持ちは、本当に美しいです。

子どもを大切にしたい。のびのび育ってほしい。自然に触れてほしい。山や川や雪の記憶を残してほしい。

親なら、そう思うと思います。

でも私は、ここにも問いを置きたいんです。

「子どものため」と言いながら、本当は親自身も、その暮らしを望んでいるんじゃないでしょうか。

自然の中で深呼吸したい。満員電車から距離を置きたい。家族との時間を増やしたい。自分らしく働きたい。望む人生を生きたい

その願いを、隠さなくていいと思います。

親がご機嫌で、自分らしく生きている姿は、子どもへの大きな贈り物です。

だから初回相談では、「子どものため」という言葉の奥にある、「親自身の望む人生」も大切にしてほしいと思っています。

初回相談は、家を決める時間じゃなく、前提をほどく時間

初回相談というと、何かを決めなきゃいけないと思う方もいるかもしれません。

土地を決める、会社を決める、商品を決める、間取りを決める、予算を決める、次のステップを決める。

決めることも、もちろん大切です。

でも、初回相談の一番大切な役割は、決めることだけじゃないと思っています。

むしろ、最初は前提をほどく時間です。

なぜ、その家がほしいのか。なぜ、その地域に住みたいのか。なぜ、その予算が不安なのか。なぜ、木の家に惹かれているのか。なぜ、家族で意見が違っているのか。なぜ、今、家を建てたいと思っているのか。

その前提をほどいていくと、本当に大切にしたいことが見えてきます。

家づくりは、条件整理だけじゃありません。 人生の前提を、少しずつ言葉にしていく時間でもあります。

奥寺さんと咲奈さんには、問いを立てる人であってほしい

サイエンスホーム諏訪店で、お客様と向き合う奥寺立佳さん岩谷咲奈さんには、私は問いを立てる人であってほしいと思っています。

説明は、もちろん必要です。専門的な判断も必要です。土地や建物の注意点を伝えることも必要です。

でも、それ以上に大切なのは、お客様の中にある答えの種を引き出すことです。

お客様は、何も分からない人じゃありません。多くの場合、すでに答えの種を持っています

ただ、それがまだ言葉になっていないだけです。

奥寺さんには、土地、構造、性能、木の家、信州の気候、現場の視点から問いを立ててほしい。 咲奈さんには、暮らし方、移住の不安、家族の温度差、日常の感覚から問いを立ててほしい。

なぜ、それがほしいのですか」 「それが叶うと、どんな日常が増えますか」 「それが叶わないと、何が不安ですか」 「誰のための希望ですか」 「家を建てたあとも、残したい余白は何ですか」 「その選択は、望む人生に近づいていますか

こうした問いがあることで、お客様は自分の中にある答えに気づいていきます

答えが出ていなくて大丈夫です

初回相談に来るとき、答えが出ていなくて大丈夫です。

土地が決まっていなくてもいい。予算が不安でもいい。間取りが分からなくてもいい。木の家が本当に合うか分からなくてもいい。夫婦で意見が違っていてもいい。移住するか迷っていてもいい。子どもの学校が不安でもいい。親の介護や老後のことが気になっていてもいい。

その状態で大丈夫です。

むしろ、迷いの中に、本音があります

答えが出ていないことは、遅れていることじゃありません。 むしろ、丁寧に選ぼうとしている証拠です。

何に迷っているのか分からない」という状態でも大丈夫です。

一緒に話していく中で、少しずつ見えてきます。

初回相談は、完璧な答えを持って行く場所じゃありません。 問いを持って行く場所です。

そして、その問いを一緒に整理する場所です。

初回相談で話してほしいこと

初回相談で話してほしいことは、きれいに整理された希望だけじゃありません

むしろ、整理されていないことも話してほしいんです。

何となく惹かれていること。何となく不安なこと。夫婦で意見が違うこと。子どものことで気になっていること。お金のことで怖いこと。木の家が好きだけれど、少し心配なこと。信州に移住したいけれど、まだ踏み切れないこと。家を建てたいけれど、本当に今なのか迷っていること。

そういう言葉になりきらない思いこそ、大切です。

そこに、望む人生のヒントがあります。

初回相談では、上手に話そうとしなくて大丈夫です。

モヤモヤしたままで大丈夫。まとまっていなくて大丈夫。矛盾していても大丈夫です。

そのモヤモヤを一緒に言葉にしていくことが、相談の価値だと思っています。

読者の方に問いかけたいこと

家づくりの初回相談を考えている方に、問いかけたいことがあります。

あなたがほしいのは、本当に広いリビングでしょうか。 それとも、家族が自然と集まる時間でしょうか。

あなたがほしいのは、本当に山の近くの土地でしょうか。 それとも、毎朝、自分に戻れる感覚でしょうか。

あなたがほしいのは、本当に木という素材でしょうか。 それとも、安心感や懐かしさでしょうか。

あなたがほしいのは、本当に平屋という形でしょうか。 それとも、将来も無理なく暮らせる安心でしょうか。

あなたが不安なのは、本当に金額でしょうか。 それとも、家を建てたあとに自由がなくなることでしょうか。

そして、いちばん深い問い。 あなたが「子どものため」と言っていることの中に、親であるあなた自身の願いも入っていませんか。

こうした問いに、すぐ答えられなくて大丈夫です。

ただ、問いを持つだけで、家づくりは変わります

最後に、初回相談を考えている方へ

家づくりの初回相談では、間取りより先に「望む人生」を話してほしい

私は、そう思っています。

間取り、予算、土地、性能、商品名──それらは大切です。

でも、その奥には、もっと大切なものがあります。

どんな日常を増やしたいのか。どんな家族時間を大切にしたいのか。どんな安心感がほしいのか。どんな不安を減らしたいのか。どんな自分で暮らしたいのか。どんな望む人生を生きたいのか

初回相談は、家を決める時間じゃありません。 自分たちの本音を言葉にする時間です。 人生の前提をほどく時間です。 たくさんの選択肢の中から、自分たちらしい道を見つける時間です。

技術や現場、土地との相性は、奥寺立佳さんに聞いてください。 暮らし方や移住の不安、家族の迷いは、岩谷咲奈さんに話してください。

私たちは、家を売りたいだけじゃありません。

その家が、お客様の望む人生を支える器になるのか。

そこから一緒に考えていきたいと思っています。

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